15年間王の求愛を断り続けた女官と王様の切ないラブーストーリ
写真出典:公式ホームページ、ドラマキャプチャー
波乱万丈な王世子時代を過ごした朝鮮の第22代国王正祖は第2の世宗大王(ハングルを作った天才王様)と言われるくらい様々な改革や業績を残した偉大な君主だった。もし正祖が47歳よりもっと長く生きてたら朝鮮の歴史は変わったかも知れない。小さい頃から読書狂だった彼は学問、医学、弓術にも優れていて、特に彼の学問的な知識は膨大で深く、彼の学問を超える臣下がいなかった。既存の王様たちがよく臣下と学問を討論する会を定期的に開いたことに対し、正祖はその会を廃止し、自ら臣下たちを教育する形に変えるくらいだった。実録によると”勉強しなさい”とよく臣下たちを叱ったそう。
祖父英祖に続き太平の御代を作った正祖が唯一に愛した女性がいた。数多い後宮(側室)の中、唯一に正祖から15年間求愛し後宮にさせた女官出身のソン・ドクイムがその主人公である。
彼女への正祖の特別な愛情が朝鮮時代実録や様々な記録に残っている。
[目次]
1)ドラマ概要
3)企画コンセプト
4)あらすじ
5)登場人物
6)ドラマの見どころ
7)総合評価
ドラマ概要
ジャンル: 時代劇、ロマンス
話数:17話
放送チャンネル:MBC
キャスト:イ・ジュノ、イ・セヨン、イ・ドクファ
放送時期:2021年11月ー
視聴率:17.4 %
こんな方にオススメ
・時代劇ロマンス好きな方
・実話を元にした物語好きな方
・トキメキ、甘いロマンス好きな方
・ドラマ’イサン’好きだった方
企画コンセプト
自分が選択した生き方を守りたがるある女官と
愛より国が優先である王の
切ない宮中ロマンス記録
鬼よりも怖いと言われる王様がいた。
王は男でありながらその以前に君主である。
愛する女性より国家の運命が優先で万民の安慰が優先である。
愛はあの辺どこかの遠い最後順位に追いやられる。
最も純粋で熱情的であるべきの初恋さえ
冷たい理性で堪え政治的に計算する。
細長く生きたがる女官もいた。
服の袖口を赤く染めて着る女官たち。
服の袖の赤い袖口は王の女という象徴である。
では、彼女たちはどんな存在だったんでしょう。
ただ順従的に王と王族たちを侍る操り人形だったんでしょうか?
朝鮮時代、宮中内基本的に生活全般を司る
立派な女官として彼女たちにも
彼らだけのしっかりした夢と素朴な幸福があったんだろうという仮定から
物語は始まる。
崩れしてしまった感情の堤防、運命を揺らがす洪水になる。
男である以前に君主であることを選んだ王だから
恋さえ結局一つの将棋の駒に過ぎない。
それによって傷つく女子の心なんか眼中にない。
癪に触った女官は無礼なことに、王様の求愛を断る。
それにもかかわらず、結局お互いに思いを懸けるしかない彼ら。
平凡になろうとしたけど決して平凡になれない、
王と女官の愛を描こうと思う。
(出典:公式ホームページから kd-guide.com翻訳)
あらすじ
東宮殿(王世孫の所)所属の幼い宮女、ソン・ドクイムは特別な話術を持っていて宮女たちに本を読んであげながらお金を稼いでいた。提調尙宮(女官最高の地位)ジョ氏にその場をばれてしまった女の子たちは今日が始めてたと嘘をつくけど、提調尙宮は彼女たちが白状するように脅かす。賢い答えを言い出したドクイムが気に入った提調尙宮は彼女に難しい課題を任す。 亡くなった嬪様の所へ夜中に一人で弔問を行ってくることだった。
同じ時刻、幼い王世孫イサンは王様の命令に犯して、亡くなった祖母に最後の挨拶をするためにこっそり一人で嬪様のところへ向かっている途中ドクイムと出会う。二人は初めていく夜中の暗い道を一緒に同行することにした。
自分は王世孫様のお使いだと身分を隠しながらも傲慢な言い方をするイサンに対し、ドクイムはいつか自分も立派な女官になれるものだと堂々な態度で接する。昔、お父さんの死にて祖母に批判するようなことを言ったのを後悔しているイサンをドクイムは優しく慰めてくれる。急な王様のお越しでイサンはドクイムの名前も聞けないまま彼女の助けでそこから無事に逃げ出す。
王様と二人になったドクイムは、字をきれいにかけるようになりたいと自分の願いを伝えた所、王様から亡くなった嬪様が直接書いた本をプレゼントでもらう。
無事に課題を完了したドクイムに提調尙宮ジョ氏は、女官の人生は寂しいものだから王様の目に入り、王の女である後宮になるのを目標にすることをアドバイスする。
王世孫イサンの殿閣所属のドクイムは、王世孫様の安慰によって所属女官みんなが突然宮殿から追い出されることもあると聞いてから、宮中で長く過ごしたい彼女は毎日王世子の安慰が心配することになる。
イサンの祖父、王様は自分の母が卑しい身分の出身だったのが王としての弱点で、母の身分に関する内容が書かれている本を読むのを徹底的に禁止していた。禁止書を王世孫がこっそり読んでいることを知った人たちは王様にその事実を暴露することで、イサンを廃位する計略を立てる。
偶然その計略を盗み聞きしたドクイムは王世孫の図書館にこっそり入り込んで、その本を探し出し、問題になるページを破っておいた。王世孫の専用図書館に禁止された本が発覚され、王は激怒したけど、問題になるページが破られていることをちゃんと言い訳にしたイサンの説明で、王は逆に孫の孝心に感動し事件は無事に一段落することになる。
その本のページをこっそり破っておいたのが自分の親友、ホン・ドクロの助けだったと勘違いしているイサンに、野心家のドクロは自分がやったようなふりをし続ける。
祖母の弔問に行った夜、出会ったドクイムを探そうとするイサンは彼女はすでに宮殿から出ていると言われ探すのを断念することにする。どうせ自分の隣にいると危なくなるだけだと思った。
何年がすぎて、少女になったドクイムは昔、自分が破っておいた禁書のページ一部を見ながら、これを使って、なんとか昇進できないかと考える。そんな平和なある日、森路を走っていたドクイムは足が滑られ転ぶようになった瞬間、偶然付近にいた王世子イサンに抱かれ助かる。二人の何年ぶりの再会だった。
登場人物
イサン
(イ・ジュノ)
王世孫 → 王世子 → 次期王(正祖)
気難しい王、英祖が大事にしている孫で天才と呼ばれるくらいのエリート。生まれてから聡明で1つを教えると10を理解できる英才。
自己管理も徹底的なため、臣下や宮人たちには結構厳しい。
傲慢な性格で、気に入らない人には彼なりの虐めをやっているそうで、その中でもみんなが一番嫌がるのが反省文提出罰だった。書いても書いても終わらない反省文の地獄。
祖父英祖の理想的な後継者になるために死ぬほど頑張り続けている。自分のお父さんの悲惨な死を幼い時、目の前にした彼はこの恐ろしい王室で行き残って王になるのが目標である。
いつも彼をターゲットにした暗殺計略や陰謀が絶えなく、誰にも本音を出せない彼には妻も後宮もただの政治的な手段である。そんな超自己中のエリート王世孫の前に、あえて自分の前でもちっともびびる事なく大きい目をして負けずに口答えをするとんでもない女官が現れる。
ソン・ドクイム
(イ・セヨン)
プライド高い女官、宜嬪成氏
好奇心にキラキラする大きい目、天真爛漫な桃色の頬、人の前で喋るのが得意でお金稼ぎに一生懸命な生活力強い少女。東宮殿所属の彼女の第1目標は早くお金をためてお兄さんの身分を取り戻してあげること。そのために、宮人の前で本を読んであげたり、筆写バイトをしている。特に彼女の字はとても綺麗で誤字もないため、王妃まで特別にお願いをするレベルであった。ちゃんと計画通りに貯金をするためには王世孫様の地位と安慰がとても重要になるのを悟ってから、毎日王世孫様の心配をするようになる。
ソ尙宮を母のように思っていて、3人の親友と一緒に過ごせる宮中生活がとても好きである。東宮殿書庫を一人で担当して当職していて、猫の絵と話しながらの平和で幸せな彼女の日常にある日、無礼な男子が現れる。
※2003年のドラマ”宮廷女官チャングムの誓い”でチャングムのライバルだん幼い少女役を演じたのがイ・セヨンだった。大きいスランプなくきれいに成長している。
ホン・ドクロ
(カンフン)
肌白いハンサムな顔と優しい笑顔で宮女の中で大人気の青年
鬼と呼ばれる王世孫が現れるとみんなあちこちへ逃げちゃうけど、ホン・ドクロが現れると目がハートになった宮女たちがあちこちで彼の顔を見に出てくる。
彼は宮女達にもジェントルで礼儀正しくてますます彼に惚れている女子が増えていくのだった。
だけど、彼はものすごい野心家で、政治的な計算がとても速く、たまには王世孫イサンに嘘を着きながら勝手に仕事を進めたりする危険な面を持っていた。満足できない彼の野心は将来彼の悲劇的な終わりを暗視する。
彼の本性をわかってからはドクイムとだんだんと仲悪くなる。
英祖
(イ・ドクファ)
朝鮮第21代国王、イサンの祖父
朝鮮王朝の王の中で一番在位期間(81歳まで)が長かった王様。幼い頃から天才だと呼ばれた。母の身分が卑しいことでいつも政治的な攻撃を受けてきたし、兄の毒殺疑惑も彼を一生苦しませた。
そのコムプレクスから自分の息子には虐待と言えるくらいひどい 圧迫をし続けて、辛かった王世子は精神に異常になり奇妙な行動をしつつけた結果、死刑になってしまう。 孫イサンに関してはとても大事にしていたけど、イサンを廃位させようとする勢力からの計略や陰謀にたまにはイサンを誤解したり、老患による痴呆でイサンを廃位の危機まで追い込んだリする。
王妃キム氏
(チャン・ヒジン)
英祖の2番目の王妃、イサンの祖母
王妃になったのが彼女が15歳の時、夫の英祖は66歳だった。英祖の息子思悼世子よりも10歳も年下の義理の母になる。
優雅で冷静な判断力を持つ女性で何を考えているのか読めない人。
大胆な決断力と行動力も持っている。自分の出る場と出ない場を本能的にちゃんと区分して行動しているけど、入宮してからずっと生意気な翁主の態度が気に入らず、いつか恥をかかせようとチャンスを狙っている怖い面もある。
ドクイムの明るい性格と聡明な点が気に入って、彼女には好意を持っている。
英祖が死んでからは大妃に昇格され、正祖とは本格的に政治的なライバル関係になる。
惠慶宮ホン氏
(カン・マルクム)
イサンの生母、英祖の嫁
王世孫イサンの母で英祖によって殺された思悼世子の妃だった。老論勢力の計略で夫を悲惨に亡くし、息子イサンだけは自分の全てをかけても守ろうとする。夫の奇行にトラウマがあって、イサンにも何か問題が起きるんじゃないかと心配しドクイムにイサンの監視をお願いする。元々没落したソン・ドクイムの家門からドクイムを宮殿に呼んで女官にさせたのも彼女である。
提調尙宮チョ氏
(パク・ジヨン)
600名以上の宮女、女官を管理する最高権力者。
宮中の御命を預かり、王室の財産も管理する役割で強大な権力を振る舞っている。
提調尙宮と言う地位は女官達に取って憧れであり、怖い対象でもある。自分が統率する宮女達を守るためには次期王の選別にも関わる人物。
思悼世子が精神病になって数多い宮女達を無差別に殺したことで彼に敵意を持ち、老論と一緒に思悼世子を除去することに賛同した。その思悼世子の息子であるイサンの即位も反対していて、裏側で様々な暗殺を企む。
身分が低い英祖を支持し王に即位させた後、自分が英祖の後宮になるのを期待していたけど、英祖はチョ氏ではなく彼女の親友を後宮にさせた。そんな王を待ちながら長い間、寂しい時間を過ごした。
カン・テホ
(オ・デファン)
イサンの護衛武士
王世子の護衛組織翊衛司の首長。優れた武術実力を持っているが、面白いキャラクター。イサンとは長い間一緒だったため仲良くて気難しい彼に直言をする数少ない臣下の一人。ホン・ドクロがイサンの命令よりも線を超えたりすることを見ると彼を牽制する役割もする。イサンの恋愛コーチでもあるけど、あまり使えないすきるばかり教えている。
ソ尙宮
(チャン・ヘジン)
東宮殿の至密尙宮、ドクイムの師匠
ドクイムが小さい頃、同じ部屋で泊まりながらドクイムを訓育した。
いつもドクイムにくどくどしくうるさいけど、彼女への愛情と信頼が込めている。ドクイムを娘のように大事に愛しているソ尙宮はドクイムに問題があるたびに一生懸命に彼女に力になってあげている。
イサンが王に即位したことで、自然的に大殿の至密尙宮に昇格された。
ドクイムにとっては母のような存在で、宮女たちの逆某がばれた時、ドクイムはソ尙宮を守るために奮闘する。
※映画”パラサイト”のお母さん
和緩翁主
(ソ・ヒョリム)
英祖の末娘、イサンの伯母、思悼世子の妹
父、英祖が大好きな娘で、結婚しているにも関わらず、お父さんの寵愛で宮殿で豊かな生活を過ごしている。いつも自分が目立つ存在にならないといけない傲慢な性格の持ち主。
お兄さんの思悼世子を嫉妬し裏側で彼の廃位に賛同したけど、まさかあんなに悲惨な死にされるとは思わなくて、お兄さんの息子イサンが王になるのを怖がっている。英祖が生きていた時は、新しい王妃やイサンの母にも傲慢な態度で勝手に行動したけど、イサンが王になってからは
翁主身分から廢庶人になって’チョン氏の妻’という称号に変わり、宮殿から追い出される。イサンは祖父のお願いがあったため、彼女の命だけは守ってあげる。
ドラマの見どころ
1)イサン、正祖の時代背景
正祖は祖父の英祖に殺された思悼世子と惠慶宮洪氏(夫の思悼世子が王に慣れず死亡したため、王妃には慣れなかった。惠慶宮 洪氏が書いた”閑中錄”と言う全6巻の自叙伝を残している)の次男として生まれた。
23歳で王に即き1800年、47歳に亡くなるまで国王として在位した。
祖父、英祖は朝鮮で一番長い期間在位した王になる。彼は自分の生母の出身が卑しいことで臣下や王族から無視され、身分に対するコンプレクスが酷かった。
国王としては偉大な王だったけど、家族に対しては精神病と言われるくらい最悪な父で夫だった。英祖の身分に関するコンプレクスは息子、思悼世子に対して厳格すぎる教育と精神的な虐待に現れ、結局王世子だった思悼世子は 精神的に病むことになり、奇異な問題を起こし続けるようになる。政治党派勢力の一つの’老論’やファワン翁主の主導で1762年、王世子だった思悼世子は父の命令でお米を保管する木の箱に8日間監禁され亡くなる。
その後、思悼世子の事はタブしされ、次王世孫になった正祖’イサン’はいつか父の死に関して復讐されるのを怖がっていた ’老論’と伯母ファワン翁主、祖母になる大妃などによる逆某や暗殺の危機に直面することになる。祖父英祖とイサンの間を離間される危機も数多かった。
息子、思悼世子のことは大嫌いだった英祖は孫イサンのことだけは大事にしていたけど、高齢の英祖が痴呆症があることを利用し、イサンを廃位させるための計略も多かった。そのような様々な危機と陰謀の中、イサンはホン・ドクロや母の支持をもらいながら戦い続ける。
81歳で英祖が崩御する。イサンが23歳の時、第22代国王として即位した。イサンの父を殺すように操ってた人々はその息子まで除去することは失敗したのである。新しい王の悲惨な復讐が始まると怯えてた人々に、正祖は国の安定のために彼らを大目に許してあげる。彼は父と自分を殺す計略に関係ある人々への復讐をやめて、国の安定のために敵にも寛容を施した。
悲惨な思悼世子の死とイサンのドラマチックだった王世子時代の事件はよくドラマや映画の素材として使われている。
2007 年ドラマ ”イサン”ーイ・ソジン、ハン・ジミン
2014 年ドラマ ”秘密の扉”ーイ・ジェフン、キム・ユジョン
2014 年映画 ”逆鱗”ーヒョンビン、ハン・ジミン
2015 年映画 ”思悼”ーユ・アイン、ソン・ガンホ
2015 年ドラマ ”夜を歩く士”
※英祖は元々素朴な生活スタイルが好きで、王室でも剣素な生活を強調し英祖時代の王族や貴族女子は以前の華麗な加髢を使えず、素朴な冠スタイルになっている。なので他の時代と女子たちのヘアースタイルが違う。
2)宜嬪成氏への愛の記録
正祖の後宮、ソン・ドクイム(成德任)は1753年生まれで1786年、34歳になくなった。
彼女は女官出身で、正祖の初恋であり、後宮の中では唯一に王に直接指名され選ばれた後宮だった。さらに彼女が正祖の求愛を受け入れるのに15年が掛かっている。
言い換えれば、15年間正祖の心を断り続け、彼を待たせたことになる。普通、女官が王を断るなんて、ありえなくて面白いけど記録に残っている実話だ。
ドクイムは正祖が15歳王世孫の時から命じた寝所に入ることを15年に渡って正式には2回、非公式的には数多くずっと断っていた。彼女の初めのお断りは”王世孫の妃様がまだ子供がいないため、あえて寝所に入れない”と断った。その時、正祖は成氏の意図を納得し諦めたらしい。それから14年後、相変わらず彼女に気があった正祖は新しい後宮を先発することに反対し、彼女にまた求愛をするけど14年前と同じ理由で断れる。
失恋で怒った正祖がドクイムの側近の人々に代わりに罰を与えたりいじめたりしてから彼女はやっと王の命令に応じて、後宮になる。
後宮になったドクイムは息子文孝世子と娘を産んだけど、二人とも病気で小さい時死んでしまう。文孝世子は5歳で伝染病でなくなった。息子の死で精神的にも弱くなった彼女は妊娠9ヶ月目で、病名をわからない病気で死亡することになる。(妊娠中毒症だと推測される)
宜嬪 成氏は元々心が弱く優しすぎて心の病気があったそう。(うつ病に推測される)療養のために宮殿を去ってから、また宮殿に戻ってきてからは毎日正祖が彼女の側についていた。漢方薬を煎じるのも王が直接関与したり直接看病もしたけど彼女の病気は悪化され、正祖10年宜嬪 成氏は34歳で妊娠9ヶ月の身で死亡する。
後宮になってから短い期間に数回の妊娠と出産、流産を反復されたため妊娠中毒症が疑われる。宜嬪 成氏の死後、正祖は元々仕事中毒くらいの人だったのに、数日間も飲み食いを全廃し国定を論する場には出なかったと記録されている。宜嬪 成氏の墓表誌銘は正祖が直接書いていて、国王が直接祭文を書くのは非常に珍しいことだった。
正祖が書いた墓表誌銘によると、宜嬪成氏は才能、芸術、技術を完全に持っている多才な女性だった(料理以外。餃子は作らないで)。彼女が後宮になるときのロマンチックな物語も記録に残っているけど、彼女の死後、正祖が自ら書いた’御製宜嬪墓表誌銘’にはドクイムへの深い愛情と彼女を失った悲しみがそのまま込めている。
《御製宜嬪墓表誌銘 中》
”愛してる。誠に心が痛む。君が死んで私と離別した。私はやっと君の死に気づいた。 ”
《御製碑文 中》
”君も同じく私が悲しみを忘れられないことを悲しむだろう。”
《御製宜嬪致祭祭文 中》
"生きている私と死んでしまった君がたえず長い間永遠に別れ、私は耐えられないほど心配と憂いが多い。”
”嬪之置後庭之列廿載于玆”=宜嬪が後宮になって今まで20年だ。”
(15歳の時の初求愛から彼女を自分の女だと数えている )
《御製宜嬪三年內各祭祝文 中》
”お箱から絹物を並べておくと白いタレ衣が渦巻いている。パラパラと吹く風の音に悲しんで夜中にお酒一杯を差し上げた。君が忽然と死んでしまい逢いたいと望んでも逢えぬ。”
”私はやっと今になって君が死んだか死んでいないのか確定されずにいる。悲しくて悲しい人の心は縛られていないようだ。”
正祖は宜嬪成氏と二人の間の息子、文孝世子のお墓に”コドン(お墓参り)”を数回も行ったため、今もソウルヒョチャン洞にある丘の名前が 王様のお墓参りの意味の”コドン丘”と名つけられている。
宜嬪 成氏、ドクイムは正祖の初恋で彼が一生愛してた唯一な女性だった。
3)能動的な女性
2007年”イサン”のソン氏(ハン・ジミン)はイサンのお母さんの反対とイサンの妃のために自分の恋をあえて隠そうとする心優しい人物として描かれていた。
2021年のドクイムは時代の流行りに合わせ、より能動的で主体的なキャラクターになっていて、女性たちに共感されている。
女官ドクイムは既存の受動的な朝鮮時代の女性たちとは違って自分のやりたいこと、自分の目標がしっかりある人物だ。
王の立場から見ると女官って身分も低いし大変なので、女官の誰でも王の後宮になるのを願っているはずだと思って、ドクイムに求愛するけど、ドクイムの反応は違った。
女官の仕事を無視する発言を聞くたびにドクイムは王の前でも堂々に立ち向かって、女官もちゃんとした職で、頑張り次第で自分も出世できると声をあげる。
ドクイムが15年間イサンの求愛を断るのも、決して自分の男に慣れるはずがない人(王)を愛して、彼が自分の所に来るのをずっと待ち続けて、傷ついたりしたくないと言う。今までの朝鮮時代劇ではみたことがない女性キャラクターで新鮮。
後宮になってからはやっぱり彼女の予測通りで(16話、17話)子供ができたと伝えた日に、王はドクイムに逢いに来る途中、気が変わってドクイムのところではなく子供を授けたことができない王妃の寝室で泊まることにする。それでドクイムは彼を理解しながらも悲しい思いをする。
後宮になる事で単純にハッピーエンドではないエピソードが切なく悲しい。
女官時代の自由を失った事で苦しむドクイムは来生には自分らしい人生を生きていきたいと王に伝える。もし来世に二人がまた出会ったとしても、すれ違って欲しいと願う。(号泣)
結婚というフレームだけで女性の幸福を簡単に評価してた既存時代劇と違って、女子をより主体的な人格体として描いているのが共感を得て、好評を受けた。
ドクイムだけではなく、提調尙宮チョ氏を中心にした女官たちの秘密組織も彼女らがただのお使いではなく、ちゃんと自分たちを王や権力者たちから守るために積極的に政治に介入する人々に描いているのも新鮮。(女官たちの秘密の集まり場所とかは非現実的だけど。。。)
※ 女官に関して:
女官たちは普通8時間働いて次の日は休みをとった。王の寝室を守る場合8名が王の寝室の周辺で徹夜をしながら寝室を守る。英祖の時は600名くらいの女官がいた。入宮して15年が立つと儀式をしてから正式な女官になる。入宮して25年ー35年経つと’尚宮’に昇進する。超速度で昇進する1番の方法は王様の目に入って寝室へ呼ばれる事。運がよければ王様の母にもなれる。ただ、一回、二回だけ王様の寝室に呼ばれるだけでちゃんとした後宮の肩書をもらえない女性は’特別尚宮’に呼ばれ悲惨な人生を送るようになった。普通の女官とは違って、仕事もできず、誰の関心ももらわない立場になる。そして死ぬまで宮殿から出れず、’ただ’いるしかない寂しい人生を送ることになる。(イサンがドクイムを脅迫するときも同じことを言う。”君が一番怖がるのはそんな特別尚宮になることだろう?”と)
総合評価
大昔ドラマ王国と呼ばれたMBCの久々の大ヒット作で2021年MBC演技大賞で様々な賞を受賞した。最後話の視聴率は17%を超えた。
演技大賞はやっぱり”黒い太陽”のナム・グンミンだったけど、その他の大体の賞はこのドラマが攫って、主演のイ・ジュノ、イ・セヨンはミニシリーズ部門最優勝演技賞と、ベストカップル賞を受賞した。
ドクイムのイ・セヨンの演技も2PMイ・ジュノの演技も素晴らしく、全然威圧感が感じないし映像美や衣装もとても美しく感覚的に演出されていている。ドクイムの観点から描いているため、小さい頃からすでに存在するイサンの妃の存在が出ないところやドクイムが何回かの出産を繰り返したのも若干減らしたりしているけど、基本的には原作にちゃんと従って、朝鮮時代を充実に表現していると評価されている。
ツンデレの王とプライド高い女官のロマンスは最高にロマンチックで面白い!
最終話はあまりにも悲しくて泣きすぎるので注意が必要。号泣に備え、ティッシュを多めに準備した方がいいでしょう。
久々のMBCの自慢作、これはみないといけません。
写真出典:公式ホームページ、ドラマキャプチャー
[目次]
1)ドラマ概要
3)企画コンセプト
4)あらすじ
5)登場人物
6)ドラマの見どころ
7)総合評価
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最後まで読んでいただきありがとうございます!
XOXO